妻を非常勤役員にしている最大の理由

節税

非常勤役員!コトトロです。

 

非常勤役員である妻を労災保険に加入させようとしましたが、夫婦2人会社の場合加入対象から外れるそうです。

さら~と申請すれば通りそうな気もしますが、無理に加入しなくてもいいので止めておきます。

 

加入できないとなると危険な仕事はさせられません。

それは合同会社の代表者である私も同じこと。

今後は安全リスクの見極めをしっかりして現場作業を行います。

 

今日は非常勤役員についての豆知識です。

 

 

なぜ妻を非常勤役員としたか

私は合同会社を約3年前に立ち上げ、妻を非常勤役員としました。

理由はできるだけキャッシュが出ていかないようにしたかったから。

 

通常、社員を雇うと社会保険加入は必須となりますが、非常勤役員だと免除されます。

当時は私もサラリーマンだったので合同会社代表である自分にも報酬は出さず、妻にだけ93万円の役員報酬を出すことにしていました。

 

すると、代表者である私(個人)は報酬を受けていないので税金が上がらないことに加え

会社に副業がバレるリスクも減ります。

住民税を自分で納める形にしても何があるかわからないと思っていたのでリスクヘッジです。

 

妻には93万円の報酬を出すことで、給与所得控除と基礎控除をフル活用できます。

控除分を引くと所得がゼロ円となり、所得税、住民税がかからない仕組みです。

 

所得税だけであれば103万円まで報酬は出せますが、93万円に抑えることで住民税も非課税となります。

さらに、第三号の扶養に入ることができるので、健康保険料と国民年金も免除。

 

この第三号の仕組みは古い慣習を引きづっているバグだと思っているのでそのうち無くなりそうな気がしていますが、使えるうちは活用しようと考えています。

 

 

法人側にもメリットあり

これは有名どころですが、法人から役員へ報酬を出した分は経費扱いとなります。

役員報酬93万円出すと、法人の税率が23%の場合、22万円程度税金を減らす効果です。

 

現在、サラリーマンを辞めて自分にも報酬を出しているので、もちろんその分も経費となっています。

 

法人は利益を残さないと銀行が振り向いてくれなくなるので、行き過ぎた節税は禁物。

ですが、自分の生活費を考慮した報酬を個人に出し、必要最低限の節税をするのは理にかなっています。

 

妻を非常勤役員にして報酬を出す方法。

今まで紹介してきたメリットは大きいのですが、実は最大のメリットは別にあります。

 

 

非常勤役員に退職金を出して節税

法人の代表者だけでなく、非常勤役員にも退職金を出すことができます。

退職金となるとかなり先の話なので思考停止してしまう人は多いのではないでしょうか。

 

太陽光発電に取り組まれている方は今から考えておいた方がいいですよ。

減価償却が終わる17年後から爆発的に経常利益が増えるので!

 

事前知識として、法人実効税率グラフを確認

税理士紹介センター㈱ビスカスのサイトより抜粋

 

現在経常利益が1基50万円でも、17年後は180万円まで増えると仮定しましょう。

すると5基の所有で900万円の経常利益!

 

900万円の利益に対して24%の税金は216万円!

なかなかハードな税金だと思いませんか。

 

ここから経費を重ねて200万円積み上げても

700万円の利益に対して23%の税金は161万円・・。

きっつ( ;∀;)

 

17年後に慌てても遅いです。

できる節税策は限られています。

 

では、今から何ができるか。

と考えた時に有効な手段が妻を非常勤役員にすることです。

(退職金に限れば、「非常勤」である必要はありません)

 

 

退職所得控除を理解しよう

若い方はあまり考えたこともないかもしれませんが、日本は退職金に対してかなり優遇処置を取っています。

それが退職金控除。

 

基本的な退職金の税金についての知識を付けておきましょう。

 

退職金の「所得控除」の計算方法

 

1.(収入金額(源泉徴収前の金額)−退職所得控除額)×1/2=課税対象になる退職金の金額

 

勤続年数(=A) 退職所得控除額
20年以下 40万円 × A
(80万円に満たない場合には、80万円)
20年超 800万円 + 70万円 × (A – 20年)

 

 

退職金に対して、退職所得控除金額を引いた残りがあると課税されます。

退職所得控除金額は上の通り。

 

20年勤めれば控除金額は800万円です。

大きな控除ですよね?

 

言われてもピンとこないと思うので先ほどの例をもとに算出してみましょう。

 

例①

Aさんは法人を立ち上げて太陽光発電所5基を購入しました。

減価償却が終わる17年後、太陽光5基から生まれる計上利益は900万円になりそうです。

Aさんは何も経費としてあげるものが無い為、仕方なく税率24%の216万円の税金を納めました・・。

 

例②

Bさんは法人を立ち上げて太陽光発電所5基を購入しました。

減価償却が終わる17年後、太陽光5基から生まれる計上利益は900万円になりそうです。

Bさんは税金対策の為に妻を17年間非常勤役員としていました。

17年目に妻を退職させると退職金は損金算入できるので、680万円の退職金を出すことにしました。

代表者への報酬やその他経費が220万円ほどあるので、退職金680万円と合わせて900万円。

なんということでしょう~

Bさんは妻を非常勤役員にしていただけで、17年目に税金で苦しむことは無くなったのです!

(妻に支払う退職金は680万円(40万円×17年)の退職所得控除が利用できるので個人側でも税金が増えることがありません)

 

 

税理士『非』監修。

間違っていたらすみませんw

 

実はこの退職所得控除が利用できるのが妻を非常勤役員とする最大のメリット。

今回は17年後の想定で書きましたが、20年後に退職所得控除を800万円まで増やしてから退職でもいいわけです。

 

自分の会社がいつ頃最大の利益を出し、退職所得控除をぶつけたいかを考えておいた方がいいよ、というお話でした。

20年後でもまだ野望があり、利益を最大限残すぞ~と意気込む人には関係のない話ですが、うまくフェードアウトしていきたい勢には大切な話かなと考えています。

 

それでは!

 

追記:カリメロさんからコメントいただきました。太陽光だけだと電気供給業なので、事業税は収入金課税となり、一般的な法人実効税率とは異なるそうです。どのくらい税率が下がるのだろう?私も知識が足りないので勉強します!

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コメント

  1. カリメロ より:

    コトトロさんの合同会社は電気供給業ではありませんか?
    太陽光発電などの電気供給業に係る法人事業税は収入金課税ですので、各事業年度の収入金額(売電収入)を課税標準とした収入割額によって申告することになります。
    赤字でも毎年法人事業税がありますし、黒字額が大きくても税金は収入割分だけでした。
    これ、税理士でも知らない人がいるため、間違って申告していて修正が必要になることがあるんですよね。

    令和2年度税制改正で所得割も少し取られるようになるのですが、1.85%で少ない税率ですので融資を考えると無理に赤字を出すより黒字を出したほうが良い気がします。

    • コトトロ コトトロ より:

      カリメロさん
      まさに電気供給業です。
      電気供給業が一般的な法人実効税率通りにはならないことを始めて知りました。
      通常の税率よりも下がるということでしょうか?

      基本的なところを理解できていないことがわかったので
      収入割とはなんぞや、というところから勉強始めたいと思います^^;

  2. クマパンダ より:

    労災保険の特別加入というのがあったかと思います

    また倒産防止共済というやつも
    節税には良いと聞いたことがあります

    • コトトロ コトトロ より:

      クマパンダさん
      ありがとうございます、特別加入条件調べてみました。
      やはり非常勤役員の妻だけだと難しいみたいですね。
      従業員が他に1名でもいれば加入できるそうです。
      倒産防は最後まで取っておきたいなと^^;

  3. カリメロ より:

    コトトロさん
    私も太陽光発電事業を営んでおりまして、この収入金課税と知らない間は一生懸命経費をあげて赤字を出していたのですが、顧問税理士から上がってくる法人事業税が高いなと思い勉強したところ、上記のような特殊な課税方式でした。
    所得割分が算入されるように改正があったのですが、300万円の黒字でも所得割分はせいぜい6万弱と考えると無理に経費を計上せず、法人に利益を残すほうがよいのではと考えがかわってきました。

    利益が大きいときは通常の税率よりも低くなりますが、赤字でも収入割があるので20年間を毎年赤字とした法人よりは税額が200万くらい増えそうです。
    大体の計算なのでちょっと間違ってるかもしれませんが。

    • コトトロ コトトロ より:

      カリメロさん
      私も法人では出来る限り利益を残すようにしています。
      いつでも借り入れできる状態を作っておくのは大事ですよね。

      今回足りない知識が補完されて助かりました。
      ありがとうございます!

  4. オルト より:

    いつも有益な情報をありがとうございます!
    次の高圧案件の融資の為に、4月頃合同会社を設立予定です。
    引き続き勉強させて頂きます(^^)/

    • コトトロ コトトロ より:

      オルトさん
      さらに高圧拡大ですね~すごい!
      合同会社設立後の知恵(悪知恵?^^;)はある程度持っているので今後もブログに出していきますね。